信長の棺 加藤廣

数年に一度のレベルで麻雀負けました…ぐぬぬ


司馬遼太郎ものは一通り読んで、ほかの歴史ものといえば天地明察くらい(?)しか手を出していないので、久々の感じ。
北方謙三水滸伝とかも読んだけれど、あれは歴史ものっていうかスペースオペラに近いような…。

さておきなかなか重みのある小説で、読み終わるのに四日くらいかかり、読了後ははーっとため息が出た。
信長の側近の書記、太田牛一を主人公に据えているのがおもしろいところで、信長記を完成させる為に本能寺の変の真相や、消えた信長の遺骸を探すことでストーリーが展開していく。
思わぬ人物や出来事が伏線になっていて、終盤で回収されるテクニックはとても処女作とは思えない。さすがに一流企業等を渡り歩いた75歳ならではのデビュー作と思わされた作品だった。

いかんせん信長の死から物語が始まるので、常に物語の中心にいながらも思い出としてしか語られないのがもどかしいのだけれど、それも恐らくあえてのことなのだろう。

でもなぜかこれ以降の作品をまた読みたいという気持ちがあまり湧いてこない不思議。
落ち着いたら2作目とか読んでみて判断してみよう。