ガンダムユニコーン

カーディアスはそこで、勤勉実直な努力家とひとくくりにされる者たちの中にも、二種類の人間がいることを知った。ひとつは、誰かに認めてもらうために、なにかを為したいと思う人間。もうひとつは、なにか為さねばならないことがあって、結果的に周囲から認められる人間。前者は、周囲の評価が前提としてあるがゆえに、大事な局面で決断力が鈍る。対して後者は、目標が常に前方に設定されているため、目先の情実や良心にかかずらわって必要な決断をためらうということがない。
(中略)祖父に認められることを目的とした父は、死ぬまで祖父の従属物だった。永遠に子供だった、と言ってもいい。そうはなるまい。この世界は、子供のまま世過ぎができるほど寛容ではない。見返りを求めず、己に報いるのは己だけと了解して、為すべきことを為す。完全に自立した個を打ち立てない限り、利用されて捨てられるだけの末路が待っている。