やがてしらじらと

先日、某のライヴに行ってきた。
「すいません、お先失礼します」
「ちょっと待って、この件についてなんだけど来週でいいから対応方法考えといて」
「わかりましたー」
「じゃ、来週のことを微妙に気にしながら中途半端にライヴを楽しんできてね!」
「あざーーーっす!」


持つべきものはいい先輩です。


昔はライヴを見に行くというのは、彼と遊ぶことと同じ意味だった。
最近は一緒に遊ぶことがうまくできず、遊んでいる彼をただ眺めていることしかできないでいる。
初めは五人くらいしかいなかった客も、今ではその五人が入る隙間もないくらいの人が集まるようになった。
本当にうまくなったし、いいアルバムを作れるようになった。


もしも彼が、他の仕事をしながら音楽を続けていたとして、時々趣味で音楽をやるような道を歩んでいたらどうだろうか。
もしも俺が、彼に一緒にバンドやろうよと冗談で誘われた時に、本気になっていたらどうなっていただろうか。



満員の客に向かって彼は言う。
世界の為に、みんなの為に自分の音楽が必要なんだ。その為に詩を作り、その為に曲をつけるんだ、と。


迷うこともあっただろう。
それでも彼は音楽を選び続けた。
それだけ、ただそれだけ。


そのMCを聞いた後からは、あまりライヴの内容を覚えていない。
来週以降のスケジュールを頭で組みながらプログラムの修正方針を考えていた。
俺は俺で、いま戦える場所で戦う。


サラリーマンは凄いぞ。
あいつら、マジで頭良くて瞬発力あって修正能力高い癖に感じ悪い!
この世界は案外おもしれーぞ。
酔っ払った席で、就活に悩んでいる子にこんな話をした。
ライヴの日、その子にひとつきぶりくらいに会って、話をした。
やたら最終で落とされるよ、でもまだ頑張ってる。のべさんが一回就職してみた方がいいって言ってくれたから、きっとしてみた方がいいんだと思って、がんばる。
そう言われた。
大学生の頃、一緒に仕事をしていた頃があったからわかる。
こいつは絶対、真剣に議論を交わせるような場所で仕事をさせたらおもしろい。
今日あたり、最終の結果が出る頃だろうか。
焼き肉パーティーが祝宴とならんことを。



閑話休題
ひとつ、長患いに決着がつきました。
畜生、肉親になりてぇなぁ。
娘でも嫁がせるっかねぇかなぁ。