瞬間、トイレ、溺れて

なぜ人間は、鼻をかんだ後のティッシュペーパーを確認するのだろう
なぜ人間は、尻を拭いた後の紙を確認するのだろう
そしてなぜ人間は、自らの排泄物を確認せずにはいられないのだろう


そして戦果に満足した俺は、なぜ水を流す前に携帯を取り出してしまったのだろう
そしてなぜ…、携帯は手から滑り落ちるのか



偶然、されど必然
壊滅的に仏滅
脱糞、並びに携帯



水没、沈没、陥没。



嗚呼、さして愛しくもない君を彼の地より救出し、汚染されし御身を清められたるまさにその時、嗚呼…、嗚呼…、なぜに今、その身を激しく震わせる必要があろうか
この激しさ、この波長
否が応にも理解せざるを得ない、君は、今、俺を呼んでいる…


嫌だ、やめてくれ、そんな目で俺を見るな!呼ぶな!黙れよ!
どうして!どうして!?なぜ水没したのに生きている!?


「お願い…最後にもう一度だけ…」


そう、言っているかのようだった


ゆっくりと彼女を抱き抱え、顔を近づけてゆく…





「もしもし」
「もしもーし、今どこー?」
「俺、今、………」
「ん?」
「………ブックオフのトイレにいるんだ」



最後の逢瀬から数分後、彼女は息を引き取った…



それから数時間後、息吹き返しちゃったんですけど勘弁してくれませんかもう本当に。
機種変しゅゆ!!