野球棋譜コメごっこ

石川は1ニ(内角真ん中)へカットボールを放り込む。イデホはノータイムで強振。白球は美しい弧を描いてレフトポールを巻いた。
打球を見て審判が腕をまわす。ツーランホームラン。第5戦はまたもソフトバンクが先手を取った。

※戦後の感想※
緩手。△3四シンカーがまさった。
「せめて1三に投げるべきだった。あの高さでは打たれてもしょうがない。ひどかった」と石川は悔やんだ。だが実戦はファウルかフェアか際どい戦い。インコースの難しい球をフェアゾーンに打ったイデホをほめるべきだろう。

※戦後の感想※
ここは点得が大きく先手優勢。
「5回までは予定通り石川でしたか」と真中はボールペンでスコアブックをトントンと叩く。
工藤は「スタンがね」と、四球をもぎとった先発に対して言葉短くねぎらった。
だがここから戦いは大きくもつれることになる(といいな

根性のバーネット投入。これまでスワローズは4点ビハインドの場面で守護神を投入したことはない。
その執念を振り切るかのような柳田のタイムリーヒット。ここまで眠っていた柳田に、最後の最後で火がついた。勝ち野球、鬼の如し。
燕は首を差し出した。

先制、中押し、駄目押し。野球の理想を体現した試合運び。
9回裏スリーアウト。1年間燃え続けたライトスタンドの火も、とうとう消えた。
審判がゲームセットを告げる。終了時刻は21時55分。日本シリーズは4勝1敗でソフトバンクが制し、今シーズンの全日程を終了した。
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