ハサミ男 (講談社文庫)
ハサミ男 殊能将之


連続殺人犯であるハサミ男の日常から物語は始まる。
ハサミ男は3人目の獲物を見つけ、観察し、機会を窺う。
そしてついにハサミ男が殺人を決行しようとした日に見たものとは…?


推理小説なんですが推理をするのは連続殺人犯という不思議な話。
まぁ警察も捜査しますが…っていうかむしろこっちがメインか。
この小説はネタバレしないと文句も言えない上に、
おもしろみが半減以下するので以下反転しますね。

最初の「わたし」っていう一人称を見た時に、
「うわぁ、なんかヤな予感するなぁ」とは思ったけどやっぱ叙述ト リックだった。
どんなト リックなのかは予想もしなかったし、
むしろそうでないといいなーと思いながら読んでいたけれど、
「何だい、やっぱり叙述ト リックかよ。しかも犯 人は何のひねりもなくあの人だし」
というのが正直な感 想。
被害者の方の情 報が少なくてあまりはいりこめなかったってのもあるし、
叙述ト リックはもうマリ みてのインライブ ラリーでもあったし、12月のベロニカとか、
森 博嗣とか成田 良悟作品にもよくでてくるので正直お腹いっぱいって感じ。
叙述ト リックメインじゃなくって、
ト リックの方は素晴らしい完成度なのにそこにもう一つ叙述ト リックっていう方が良い作品だと思うのだよなぁ。
森の「今は もうない」とかかなり良かった。
ついでに叙述ト リックについて検索してみたら、
折原 一という作 家は叙述ト リックしか書かないということで逆に興味を持った。
今度探してみよう。

とまぁなんだかんだで☆3つ。
この人の他作品を探して読もうとは思わないけどつまらなかったわけじゃないよ的な位置づけです、はい。