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飛んでます、がっつりと。
何がってそりゃあ、佐藤友哉の頭の中が。
すっかり出るわけねーじゃんとか思っていた鏡家サーガの最新作が出ちゃったらしいので、
読んじゃってみたりしてみちゃった。
なんていうかこう、西尾維新と仲良くなりすぎてフュージョンしちゃったって感じの文章になってた。
内容はやっぱりユヤたんだなぁ…って感じの話。
鏡家サーガを読み続けた人なら読むべきかと。
ちーちゃんは悠久の向こう 日日日(あきら)
鏡家サーガを読んだあとのこの本は実に読みやすかった。
まぁでも厚い上にコロコロと語り手が変わっていく鏡家サーガと、
一人称語りだけで最後まで書き続けたちーちゃんとでは比べるのがおかしいんだろうけど。
読んだ後の正直な感想は「嬉しい」だった。
楽しいでもおもしろいでもつまらないでも悲しいでもなく、「嬉しい」なのだ。
この作家に出会えて嬉しい。
この作家の他の作品を読みたい。
この作家が自分より若いなんて素晴らしい。
そしてボクはこの物語が大好きだ。
くだらない部活にくだらない学校の授業、
くだらない生活にくだらない友人。
それでも掛け替えの無い人たちはいて、
でもその人たちに対して自分ができることってのはほとんどなくて。
他人の好意に鈍感で、自分の好意に鈍感で。
自分の行為には敏感で、他人の行為にも敏感で。
そして物語の結末は、狂おしいほどに幸福で、愛しいほどに狂っている。
あとがき、解説は好きにはなれなかったけれど、
自分も何かしてみたい!という気分にさせられる小説だった。
ご馳走様。