木曜組曲
木曜組曲 恩田陸


恩田陸の本で初めて読んだ作品はドミノだったのだが、
今になってようやくどれだけドミノが恩田陸の中で異色だったのか理解できた。
木曜組曲は今は亡き天才女性作家の死を巡って五人の女が淡々と語り合うお話。
ユージニアの様な物語の加速感も、
月の裏側のような懐かしさも恐怖も感じられない。
けれど物語の中の女達を通じて、
恩田陸の作家としての本音のようなものが見えてきておもしろかった。


木曜日が好き。
大人の時間が流れているから。
丁寧に作った焼き菓子の香りがするから。
温かい色のストールを掛けて、お気に入りの本を読みながら黙って椅子にもたれてるような安堵を覚えるから。
木曜日が好き。