・月と6ペンス モーム
・白痴 坂口安吾
野ブタをプロデュース 白岩玄
・ゴシックⅤ 桜庭一樹


ここらへん全部おもしろかったんだけど、
郡を抜いて月と6ペンスの前半部分はおもしろかった。
後半部分はもっと魅せる書き方があったんじゃないかと思うけれど、
この本のおかげで少しは翻訳モノにも手を出そうかなって気になった。


白痴もなかなかどうしておもしろかった。
坂口安吾の小説には恋だの人間関係だのを、
くだらないもの、必要ないもの、実態のないもの、どうだっていいもの、
として描きながらもそれに翻弄され溺れている人々を見事に描いている。
私は市井の屑のような飲んだくれだが後悔だけはしなかった。


野ブタラノベよりもさらに軽かった。
内容も確かに軽いものだけれど、
それよりも文体・テンポ・空気が軽快だった。
すぱすぱと読めるので、読んでいてとても楽しかった。
次作品を出す予定はないのだろうか。


桜庭一樹は4・5巻でもう作者買いしていいほど花開いただろう。
ここ最近のこの作者の力のつきようはめざましく、
かつ精力的に色々なジャンルに挑戦しているところも読者としては嬉しい限り。
いっそのこと500ページくらいの長編を読んでみたい。