おもしろき こともなき世を おもしろく

竜馬がゆく

読了。
折しも本日中田市長が辞職し、こんなコメントを残していた。

このままじゃ日本は外国に食い潰される。私は日本を変えるためだったら何でもやる

かつて日本にもそういうことを言った男がいた。
まだ日本人という概念が無かった時代、高知の田舎侍がたった1人で世界を敵にまわし、日本人を1つにまとめあげ、日本を植民地にしようと狙っていた世界中の敵から守り抜いた。

燃えよ剣を先に読んでしまっていた私としては、とても同じ時代の出来事とは思えないほどに新撰組と竜馬には時代感覚のズレがあった。
それは新撰組側の時代感覚が遅れていたというわけではなく、むしろ竜馬の方が先を行き過ぎていたと言う方が正しい。
新撰組が浪士狩りをしている一方で、竜馬は戦による石炭の値上がりを予想してインサイダー情報を垂れ流す。
時代を先取りするにしても程がある。
しかし、この竜馬の物語を読むことでようやく新撰組の敗北、幕府の敗北、将軍の崩壊に得心がいった。
維新側に立つことで、慶喜新撰組の立場が浮き彫りになり、無血開城の動機や新撰組の追討伐を理解することができた。
明治維新の後の出来事が坂の上の雲で語られる訳だが、維新後の日本人は確かに坂本竜馬の遺志を継いでいたと言えるだろう。
竜馬なくして明治維新無し。
竜馬なくして日露戦争の勝利なし。

果たして今の日本人を見て竜馬はどう思うことだろうか。

何の気なしに、今も昔もなーんもかわらんな、などと言うかもしれない。



という書評が書きかけのまま携帯の中に眠っていたので、続きを紡いで投稿。
竜馬ぎがんともゆす!