お酒の気持ちで

やぬっちが最近日本酒を買ってきてくれる。
いい酒屋さんと巡りあったようで、とても珍しくておいしいものを持ってきてくれる。
それも二種類、全然味の違うもの。


「見たことないの買ってきた方が野辺さん喜ぶと思って」


泣かせる話である。
で、これがまたおもしろいんだが、その二本を飲んで感想を言うと、大概好きなお酒がみんなと違う。


「………」←うまいと何も言わなくなる
「これすごい、味するなぁ」
「(味するって何だろう…?)………」
「こっち飲んでみよう。あ、俺こっちのが好きだわ」
「(俺も飲む)………」


炭酸がまだ残っている。無濾過生原酒。の割にはすっきりしすぎている。おかしい。
米は何を、絞りかたは、酵母は、水は。
ラベルを読む。どこの米か書いていない。
もう一口飲む。うーん、なんか違う。
うまいとかまずいじゃなくて、そそられない。
スパークリングワインってこんな感じかなぁ。
興味を失う。


「野辺どっちのが好きなん」
「さっき飲んだ方」
「えー、ほんま?俺いま飲んだ方が好きや」
「そうかぁ?あ、ちょっと待って、そっち一口やすにとっといてあげてくんない?こっちのは飲んじゃっていいから」
「俺その評価納得いかない!」


やすに飲ませたかったのは、亀ノ尾仕込みといったらこの酒蔵、菊の司酒造の純米無濾過中取り生原酒、ふなしぼりの一品。ぶわっと広がる亀ノ尾の味と風味が力強く広がって、うまく逃がさないと飲みづらいくらい。びっくりしてラベルを見たら精米歩合が70%。なるほど、通りで力強い。しかしそれにしては纏まりがある。実におもしろい。値段を聞いたら500mmの瓶で600円という。そりゃ限定品だろうなぁ。


「なんだかんだいっても、やすを信頼してる感じがなんかイラッとする!」


いやだってあいつ精米歩合65%を当てられるんだよ?
とまぁなんか色々言っても伝わんないと思うので、

「最近の青木まじやばくない?」
カブレラ超打ってんなwww」


よりも


「岩崎っていい選手だね」
「え、西武の?それとも中日?」
「どっちも!!」


って言われた方が嬉しいじゃない?
びしょ濡れの犬よりはましじゃない?