風よ。龍に届いているか〈上〉 風よ。龍に届いているか〈下〉
風よ。龍に届いているか(上)(下) ベニー松山


ウィザードリィのお話。
SS的なものらしいがかなり熱い話だった。
愛と友情と熱血でできてます!っていうわかりやすい冒険譚ではなく、
山を1km登るのに100ページぐらい費やしてみたり、
プリンセスを助け出した瞬間仲間割れとかしててかなりおもしろかった。
ベニー松山の他の作品も読んでみたい。


朗読者 (新潮文庫)
朗読者 ベルンハルトシュリンク


戦後ドイツにおけるある少年と婦人の話。
少年はある日謎の年上の女性に見惚れてしまう。
そして二人は恋に落ちていき、何度も逢瀬を重ねていく。
しかし女性の部屋を訪ねると突然彼女は…!?
とまぁ前半の方はかなり盛り上がったが、
後半は海外小説特有の「オレがオレが」という少年のよくわからない自己主張と、
淡々と味気なく重々しい展開に手が進まず。
これが帯に書いてあった通り「今年度NO.1」ならば、
ボクはやはり海外小説を読むべきではないのだろう。


しゃべれども しゃべれども
しゃべれどもしゃべれども 佐藤多佳子


噺家の話。
落語の世界で二つ目にあたる主人公が、
ひょんなことから落語講座を開くことになった。
生徒は幼馴染で気の弱い良と、
関西弁しか喋らない生意気な子供に奇抜なファッションの女の子、
さらには元プロ野球選手なのにほとんど解説の仕事ができないオッサンと、
バリエーションに富んだメンバーだ。
かといって落語を教える主人公の方も最近は落語の実力が伸び悩んでいる上に、
似合わぬ恋心なんて抱いていたものだから人にものを教えている場合ではないのだけれど…。


そんなこんなの落語コメディー。
かなりおもしろく読めた。
安心して展開を見ていられるのと、
最近タイガー&ドラゴンの影響もあって落語に興味を持っているのもあってか、
最初っから最後までおもしろかった。
お決まりのハッピーエンドもたまにはいいものだ。