・流星ワゴン 重松清


こちらの我が家は甲子園の近く。
春風という町に現在住んでおります。
本屋はないものかと探していたところ、
早稲田の古書街にありそうな古本屋を発見。
新刊が見たかったんだけれども、まあ読めれば何でもいいかということで店内へ。
毛利元就1〜5にハルビン・カフェ、流星ワゴンに東京タワー、ZOKUにグラスホッパーという適当なチョイス。
全部何となく気になった本だった。
ハルビン・カフェがあったのは嬉しい。愚者と愚者の人の本ね。
でまぁ、この流星ワゴン。
親子の物語。
なんというか、この流星ワゴンというタイトルからもちょっと重力ピエロを思い出した。
内容も親子の物語ということでは共通してるんだけれども、方向性としては真逆という感じだろうか。
重力ピエロの親子はとてもわかりあってるように見えるし、深いところで信じあってる。そして何よりかっこいい。
でも流星ワゴンの親子は、どこまでも現実的で、情けなくて普通の人間で、でも親であり子であり。
人間は突然親になるんじゃなくて、子供がなんとなく大人になり、大人がなんとなく親になるのだ。
うちの親父も、最初から親父じゃなかったんだよなぁ。
オレの歳の頃にはもう結婚してて、兄貴を産むとか産まないとかそんな話をしてたのかと思うと、全く想像がつかなすぎて不思議な感じだ。
正直、うちの親父はかっこわるいし頭もよくないし人格もよくない。
僕によく似て、要領ばっかりよくて最後にはうまいこと帳尻あわせて、地道な努力をしようとしない。
でも、そんな親父も息子三人を私立にいれて、長男には嫁さんも息子もいて、世話焼きなかーちゃんまでいて。


親父も大変だったんだろうなぁ。
親父は自分のことをどう思ってるんだろうか。
オレが産まれた時は、親父は嬉しかったんだろうか。


そんなことを考えさせられた小説でした。
この小説を親父に読ませてやりたいけど、親父はきっと読まないんだろうなぁ。