恋、と書いたら、あと書けなくなった

誰にも読んで欲しいと思わないものを
なぜ世界に向けて発信するのか

誰かには読んで欲しいけれど
誰にもは読んで欲しくないからだ




人間の醜さを嫌という程堪能したひとつきでした
恥だらけのひとつきを過ごしました


嘘さえまともにつけない自分の醜さ
嘘をつくことでしか身を守れない人の醜さ
誰かに守られていなければ何もできない人の醜さ


その程度しか働いていない癖に、働くのが辛いなどと憚るのはおこがましいと非難されました
アルバイトすら十全にこなすことができない人に
以前の恋人と比較され、非難されました


その人も、その人の恋人だった人も、二度大学に通ったそうです
最初に通っていた大学は中退し、
二度目の大学で出会ったそうです


20代の後半になっても親元でろくに働きもせずに過ごしている人に
30近くまで親の稼いだお金で大学に通っていた人と比較され
直接私にではなく、ネットという媒介を通して非難されました


働く身になって初めて、父親の偉大さが身に沁みました
今まで育ってきた環境の中で、お金が無くて苦労したということは無かったように思います
実際にはあまりお金は無かったのでしょうが、私はその気配に微塵も気づくことはありませんでした
それは、本当にそれは、尊敬すべき、偉大な所業だったのだと思います
男三人の兄弟を何不自由なく、まともに、社会に送り出した私の父は、
そしてその父を支え続け、自らも共に働きに出ていた母は、
世界で最も尊敬すべき二人だと思います


この前の母の日のことです
久しぶりに実家に家族みんなが集まって、母を祝う食事会が催されました
食後に私と父は、長兄の息子(父にとっては孫、私にとっては甥に当たります)とキャッチボールなどして遊んでいました
甥が植木に水をあげたいと言ったので、私と父で手伝ってやりました
植木に水をあげ終えた甥は、そのままじょうろを道端に投げ捨てさっさと家の中に入っていってしまいました
すると父は、ちゃんと片付けなさいと甥を叱りつけました
ところが甥は憎らしいことに、「じーじがかたづけて」などとのたまって出てこようとしません
いつもは目に入れても痛くないほどかわいがっている甥を、父がどうするのかと思い見ていると、
家の中に戻った甥の耳を引っ張りあげながら外まで連れ出してきて無理くりじょうろを片付けさせたのです
耳が引きちぎられるほど引っ張りあげられた甥は、泣きながらじょうろを片付けていました
私は、その父の姿に非常な驚きと、そして感動を覚えました
普段は自分の部屋の掃除や、食後の食器など全く片付けようとしない父が、
当たり前のことを当たり前としてしつけているのです


私は、礼儀作法や常識といったものは、残念ながらあまり持ち合わせていません
ですが、私の父と母が与えてくれた"当たり前の大切なこと"は、
私の中に確実に根付いています


私を非難したあの人は、あの人たちは、両親から何を学んだのでしょうか
その人の醜さから、親の"程度"が見てとれるようで、
悲惨すぎて目が向けられません


同時に、私の友人たちの強さと、人としての美しさには毎度のことながら頭を垂れる思いです


私のことを叱りつけ、育てあげ、送り出してくれた父と母に精一杯の感謝を
私のようなろくでもない人間に、常にそばに居続けてくれた友人に心からの友情を
そして私の周りにいる人たちの美しさに気づかせてくれたあなたに、最大限の侮蔑を


私は男に生まれて幸せだ
間違ったことをすれば殴られ
容姿の美醜に振り回されることは殆どなかった


殴られない者は不幸だ
甘やかされる者は哀れだ


こんなことを書きたかったわけではないのに
こんなことしか書くことができない
それでも今日は
いつもよりはましな方かと
自らをなぐさめ店仕舞いとする