格率による道徳的判断

不馴れな旅行者がある店で買い物をしようとした。
その店の店主は旅行者が不馴れであることを見抜き、お釣りを誤魔化そうと考えた。
しかしお釣りを誤魔化したと噂が広がってしまう可能性を恐れて、結局店主は正しいお釣りを渡すことにした。


この行いをカントは道徳的ではないと言っている。
道徳は帰結的行為で判断されるものではなく、自発的行為によって判断されるものである、ともカントは言っている。


「それでは道徳は全て主観でしか計れなくなってしまうのではないでしょうか」


学生が教授に質問する。
教師は嬉しそうに頷き答える。


「いい質問だ、君の名前は?」
ベン、と学生は短く答える。
「実はベンと同じことを言った人物がいる。そう、みんなもよく知っているジョンスチュワートミルだ。」
(学生、笑い)
「ベンとジョンは同志だ。名コンビだな。しかしその質問に関してカントはこう答えている」

格率によって、道徳の客観性は保たれる。
※格率とは
ある事象